いつもお祭りなどでお世話になっている尾張旭市の工務店「木の香の家」さん。


今年は「木の香の家通信」という小冊子にお節句のことを取り上げてもらっています。



先日冊子用の写真撮影に伺った時の写真です。


今回は七夕ということで(^^)


梶の葉をあしらった乞巧奠(きっこうでん)という七夕のお飾りを持ったお人形と、うしろの壁には笹竹の押し絵。


こちらは陰陽五行に因んだ五色の幕に織姫様に捧げる組みひも、笹とお人形。



「解説」

七夕は、民間では「笹の葉さらさら~」ですが、宮中では乞巧奠という行事が行なわれます。乞巧奠では五色幕や耳盥(みみだらい)というタライに浮かべた「梶の葉」を使って願い事をします。それに、歌や踊り、それに機織りが上手だった織姫様に因んで、琵琶や琴、織物や糸などを飾り付けします。

お願い事も「織姫様にあやかって」が基本で、芸事や手芸などの上達を願うのが一番好ましいとされています。



お家にお客様をお招きするときに季節の飾り付けを見て楽しんでもらうというのは昔から良くあることで、お花を活けたり掛軸を掛けたり、お人形や小物を並べたり・・・、そういうのも大事な「インテリアコーディネート」の一つです。


便利に暮らすためのスキルだけがインテリアコーディネートではとても味気ないもの。

昔からあって美しい日本の暮らしを、今のインテリアに取り入れて提案して下さる「木の香の家」さん(^^)


コーディネーターさんがめちゃくちゃセンス良いですし、


素敵すぎる工務店さんなんです!!


HP↓

木の香の家

今回はこの会の代表大西が「お節句」にこだわる理由です。


数年来、下手したら数十年来、この国では「職人」という言葉に注目し、各メディアもこぞって「若手職人」や「凄腕の職人」を取り上げてきました。伝統産業の後継者不足も大きな問題となってから長い年月を経ています。もちろん、私たち人形屋業界も他の伝統産業業界と同じ問題を共有しています。


昨今では各メディアの注目もあり、各業界で若手の職人・作家も徐々に増えてきているように感じます。中には大手企業とタイアップして世界で活躍する作家も出てきています。これはとても喜ばしいことと感じています。(私たちも頑張らないと!)


ですが一方で、毎年何人もの職人が廃業に追い込まれ、国内製の良品はどんどん姿を消しているのは相変わらずです。むしろ消え行く工芸品のスピードは加速度を増す一方です。

これは何故か。

文化的な《こと》」が消えているからだと思っています。


新しく参入してくる作家さんは、個人で「何か新しいもの」を作る人。作家さんが作る「新しいもの」は職人に大きな刺激や励みを与え、産業の発展に貢献します。

一方で職人さんは、あくまで文化(《こと》)に沿ってものづくりをし、産業を下支えしてくれる人たちです。職人さん達が作る「ある程度汎用的なもの」と「超絶技巧品」がなくなれば、土台となる伝統的なブランドは根底から失われます。そうなれば作家も職人も存在できません。


さて、では何をすべきか。

何か文化的な《こと》」や「何か伝統的な《こと》」を提案していくべきだと思います。(もっとシンプルに「楽しみ方」と言っても良いのかもしれません。)


「何か新しいもの」から、「何か文化的なこと」へ。

そこに「お節句(こと)」が果たす役割が何かしらあるものだと思っています。


文:大西

お知らせです!


7月13日より、名古屋市千種区の揚輝荘南園・聴松閣さんにて「五節句と日本人形」展が開催されます。


※揚輝荘とは、大正から昭和初期にかけて(株)松坂屋の初代社長である15代伊藤次郎左衛門祐民氏の別荘として、覚王山の丘陵地に建設された、 名古屋の近代における郊外別荘の代表作です。祐民氏が経営者・財界人として活躍し、また国際交流等の社会活動に取組んでいたため、揚輝荘は単に個人の別荘にとどまらず、皇族、政治家、実業家、文化人など各界の名士が来荘し、園遊会、観月会、茶会などが数多く 開かれる豪華な迎賓館、社交場として、また、アジアの留学生の寄宿舎として、国内外の広範な交流の場でもあった建築物です。

(揚輝荘HPより https://www.yokiso.jp/yokiso/ )


そんなお場所の一室をお借りして、日本古来の五節句について解説を交えてご紹介するという機会をいただきました。

お節句という行事が何をもたらしてきたのか。

海外のお客様を受け入れ国際交流・社会活動を行うにおいて、「おもてなし」を通じて日本の心を知ってもらうこと。その際に必要となる「しつらえ」。他にも「工芸」や「花」、「美術」や「季節」。そんな言葉たちが頭に浮かんでは、斜め上に駆け抜けて行きます(笑)。

まだまだまとまりきっていないのですが、全力で取り組ませていただきます。




期間は9月23日まで!

前期(~8月12日)・・・「端午」「七夕」「重陽」

後期(8月14日~)・・・「重陽」「人日(正月)」「上巳」

※7月28日にはセチエ代表大西による講演会と、た「七夕コンサート」を開催します!


途中、ワークショップもご用意する予定でいますので、どしどしお越し下さい!!


https://www.yokiso.jp/event/


どうぞよろしく!

新元号になって最初の日本の行事は《端午》。


町には鯉のぼりも揚がり始め、5月5日はもうすぐです。



さてさて、この度、昨年からお世話になっている八事山興正寺さんのお茶室・竹翠亭さんで端午の室礼として私たちのお人形を飾らせて頂きました(^^)



人形アトリエほうこさんの可愛い五月人形や


人形堂さんの桃太郎の羽子板(!)

大西人形秘蔵の金太郎さん

などなど。


本来、旧いものを飾るのは私たちのコンセプトからは外れるのですが…


折角の機会です。


新旧交えて展示させて頂きました(^^)




「端午の節句」


「何をする行事なの?」


「何で武具を飾らなきゃいけないの?」


「このお人形たちは何なの?」


そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。



今回はなんと、鎧兜のみのお飾りは一つもありません。

(端午の室礼で鎧兜飾りをしないのも大概珍しいと思います。別に鎧兜がダメと言っているのではありません。)


5/1には大西人形・大西が端午の節句のお話をいたします。


端午の節句のディープさを楽しんで頂けたらと思っています。




展示は5/8まで。

(4/25、5/3~6は、結婚式等のため休園です。私たちが押しかけ女房なばかりに節句当日に展示出来ませんが、どうぞあしからず。)

拝観料500円

住所:名古屋市昭和区八事本町78

10時~17時


どうぞご来園くださいませ。

本日、昨年も開催した「ひなまつりコンサート」を行いました!


オペラ歌手の加藤愛さんが唄い、クラリネットアンサンブルのみたらしだんごさんが演奏!


春の歌を中心に、一時間弱のコンサートでした(^^)



玄関には吊るし飾り、お庭には沢山の春の花が咲いており、本当に春らしい暖かな一日となりました。


お庭中の花から甘~い香りがしていて、

耳からの音楽と、

目で楽しむお雛様と、


「あ~日本に生まれて良かった~」


皆さんそんな気分に浸れたのではないでしょうか。

どの子も、今の職人が作っている雛飾りなんですよ~。


お節句って楽しいね!


そう思って頂けると嬉しいです。



今年も展示会やイベント等頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします!!

久しぶりの投稿になりました。


今日はひな祭り本番です。

ちらし寿司や蛤のお吸い物を頂いたり、ひなあられやおこしもちなどのお菓子も頂いたり・・・。

結構美味しいものが沢山ある一日ですね。

楽しくお過ごし下さいませ。


さて、今年は、私たちメンバーのそれぞれの会社が所属している中部人形節句品協同工業組合(長い!!)で、「有松絞りのお雛様」という展示イベントをやっています。

有松の旧街道の町並みで、絞りの生地を使った新作のお雛様を展示しています(^^)



もちろん私たちも参加!



アトリエほうこさんと人形堂さんが作った立雛↓

まり木綿さんの生地で、まり木綿さんのお店に飾っています。

人形堂さんの押し絵↓

有松観光案内所さんと、竹田嘉兵衛商店さんに飾ってあります。

人形堂さんのお雛様↓

独創的で素晴らしいお雛さまです。有松観光案内所さんに。

大西人形のお雛様↓

有松観光案内所と竹田嘉兵衛商店さんに!

飾る場所、飾る人を想定してものづくりをする。


セチエの活動の根幹になっている精神でもあります。


「何か新しいもの」を作ること以前に、職人が絶対に忘れてはいけない「ものづくりの精神」です。



伝統とものづくりの町「有松」らしいイベントになっていると思います。

ぜひぜひ見にいらして下さい!!

大変遅くなりましたが…


あけましておめでとうございます!!


今年も一年、張り切って参ります。




さて、セチエの活動を始めてから丸二年が経とうとしています。


そこで、活動記録をまとめた写真アルバムを作ってみました。


お金が無かったので、富士フィルムの「イヤーアルバム」という非常にお値打ちなアルバムで!


1ページ目の柏木工さんでの「暮らしと室礼展」の西暦を間違えるというボンミスをやらかしましたが(> <)


簡単に作れて、非常にお値打ちでした。


大西人形、人形堂、人形アトリエほうこ、この三軒に置いておく予定です。


みんながお店に置いてくれるかは気分次第ですけどね!笑



よろしければお店で手に取ってみてください。



よろしくお願いします!!






先週15日、マナトレーディング様での「ウィリアム・モリスと飾るお雛様」が終了しました。


多くのお客様に楽しんで頂き、また、日本の有職文様と英国のモリスデザインの関連性についても沢山お話することができ、非常に有意義な展示会になったと思います。


私たち自身、今までより深くお雛様の魅力に気づかされる展示会になりました。

モリスの不滅のデザイン「ウィロー ボウ」を纏ったおぼこ雛。


人形アトリエほうこの石川さん作です。

人形堂の河原さん作の「ひしも泥棒」。


遊び心が溢れまくった作品です。


足やボディーは木彫りで、モリスデザインのレース生地を木目込んでいます。





さて、今年は2月の「ひなまつりコンサート」から始まり、展示会三回にお祭イベント等を催してきました。


あっという間に年末。


これでセチエの二年目も終了です。


少しでもお節句やお人形の魅力を楽しんで頂けていたら嬉しいです。


人形屋は「買わないといけない」ばかり言いますけど、もっともっと「素敵」や「おしゃれ」、「楽しい」を増やしていけたらと思っています。





来年も!


「ひなまつりコンサート」から始める予定です!!


今後ともよろしくお願い申し上げます(^^)v


では、よいお年をお過ごし下さいませ~。

「ウィリアム・モリスと飾るお雛様」展、今日で3日目。


明日は最終日です。


昨日は中日新聞さんにも記事にして頂けたので、どのくらいお客様がみえるか楽しみ。



今回の企画ですが、単に和洋折衷を試みようというだけではなく、お雛様の衣装の文様とモリスデザインの類似性からテキスタイルデザインの奥行きを楽しんでもらいたいと思っています。

展示されているこちらのお雛様の唐衣(黄色)の地文様(じもんよう)は我々は「立涌(たてわく)」と呼びます。


緑の部分は浮文様(うきもんよう)。

マナトレーディングさんのカーテン。


ちょっと見づらいですが、実は右側のデザインは立涌の地文様と大きな花の浮文様で構成されています。


もともと、日本の伝統文様と呼んでいるもののほとんどは大陸から伝わり、中国やインド、ペルシャにも似た柄が多数存在しています。


イギリスのサンダーソンアーカイブにも日本の型紙が存在しており、モリスも東アジアのデザインに影響されていることが分かります。


日本の場合は「紋」の文化が強いためか浮文様はシンプルにそのまま配置していますが、モリスは地文様の要所に配置して複雑に溶け込ませ、一見するとそれと分からないようにデザインしています。


そのあたりのデザイン力には脱帽させられます。


とはいえ、植物や自然モチーフのデザインが多いところは同じで、構成自体も似たところがあるのも事実だと思います。



感じているのは、「日本の伝統文化が素晴らしい!」というのではなく、世界はデザインで緩やかに繋がっているということです。時代も越えて。


東西の隔たり無く敬意をもって繋がっていくことが、デザインや文化の発展にも、平和にも繋がると思っています。



そんな感じで、明日は最終日!!


カーテンもすっごく素敵なので遊びに来て下さいね!!!

先週の土曜、la maison des legumes さんでの展示会が終了しました。


今年も沢山のお客様にお越しいただき、ゆっくりとレギュームさんのお雛様の世界を楽しんで頂けたかと思います。


ありがとうございました!!

写真はGALLERYに載せていますのでご覧下さい。



さて!


休む間もなく明日からはマナトレーディング名古屋ショールームさんでの展示会です。


題して「ウィリアム・モリスと飾るお雛様」。


ウィリアム・モリスのデザインとお雛様が着ている十二単の有職文様(ゆうそくもんよう)の類似性を辿りつつ、現代風な室礼でお雛様を展示します。


飾る量は3組と少なめですが、お話しする文量は少し多めかな。


肝になるワードは「地文様と浮紋様」、そして「立涌(たてわく)」。

世界はデザインで繋がっています。



今回は珍しく物販コーナーも出していますのでお楽しみに(^^)

公私共々いつもお世話になっている、「人形アトリエほうこ」の石川均さん。


NEWSページにも載せていましたが、先週末、ノリタケの森ギャラリーで個展を開かれていました。


10月の竹翠亭さんでの展示会に展示していた菊慈童や浴衣姿のお人形も、石川さんの手によるものです。


上の空き缶をつぶしている童のお人形、可愛いんですよね~。


どの角度から見ても味があるんです。


石川さんがいつも仰るのは、「人形は立体造形。360度見ごたえがないといけない。技術うんぬんより、見た目が可愛かったり綺麗だったりするほうが大事。」


伝統工芸に携わっているとついつい技術にばかり目が行きますが、考えてみれば技術って表現を可能にするための「ワザ」なんですよね。



そんな石川さんの個展では、本当に可愛い子達が沢山並んでいました!

来年の干支は「猪」!

「見ざる聞かざる言わざる」の反対。子供たちは興味津々です(^^)



石川さんが作るお人形、セチエで活躍してもらっているのは息子さんです!

お雛様に着せ付けをしたり、つまみ細工を作ってもらったり。

ゆくゆくは自身の作風も確立して素晴らしいお人形を作ると思います。

ぜひお楽しみに!!


人形アトリエほうこHP↓

http://www.mb.ccnw.ne.jp/houko/

明日(12月2日)から約一週間、八事のラ・メゾン・デ・レギュームさんにて、「現代のお雛様の室礼」展を開催いたします。


八事の中の閑静な住宅街にある素敵なギャラリーで、決まりごとにとらわれずに現代風にアレンジを加えたかたちでお雛様を展示します。


昨年も開催して人気を博した展示会です!



今年は松崎幸一光さんのお人形をメインに使って下さいました。


レギュームさんでアレンジをして下さる都木早苗さんは、翌週(12日~15日)行なうマナトレーディングさんとの「ウィリアム・モリスと飾るお雛様」展でもコーディネートをして下さいます。


今回の「現代のお雛様の室礼」展でもモリスを纏ったお雛様が登場しますよ!



どんなアレンジになるのか、今年はどんなお客様に出会えるのか、楽しみです!



期間:12月2日(日)~12月8日(土)

時間:11:30~18:00

場所:ラ・メゾン・デ・レギューム

   名古屋市天白区表台154

   052-832-3738

   http://www.lamaisondeslegumes.com/


どうぞよろしく。