コラム「人日から、元日に戻しませんか?」

 

ちょっととがった記事を。


もうすぐ1月7日、「人日の節供」です。


一般には「七草粥の日」とされ、春の若菜から大地の力をいただき、正月料理で疲れた胃腸を休める、とされています。元は中国の故事から来ており「人を占う日」とも言われ、江戸時代初期に五節供のひとつとして祝日に認定されます。

これはこれとして、ぜひ楽しんで頂ければと願います。

 

数年前から、人形屋の業界では「五節句を世界文化遺産に」という活動が行われています。

※私は参加していません(理由は「遺産」じゃなくない?って思っているからです)が、これも、考え方としてはアリかなとは思っています。


中心として活動をされている人形屋さんとは何度かお会いし、親しくさせていただいており、先日の五節句展へも(ナント山形から!)足を運んでいただきました。そこで聞いた話では、この活動がなかなか進んでいないそうなのです。


・進まない原因としては何よりも「経済規模が小さい」こと、だそうです。

・また、噂では、明治時代の改暦に関わって行われた祝日の見直しで「五節供廃止令」なるものが発令されたことも関係していると言われているそうです。


「経済規模が小さいってなんやねん」って思います。世界遺産ってもはや、文化財保護よりも経済活性剤としての面が大きくなっているので、しょうがないかなとも思います。ですが、日本の伝統文化の衰退はとどまることを知らず、国内における技術継承者の不足、文化的知識継承者の不足はやっぱり大問題で、このままだと重要文化財の保護もままならない環境に陥ることは確かです。節供文化は、人形だけでなく茶道、華道などの伝統文化にも深く関わりますし、織物、漆、和紙など、さまざまなジャンルの工芸品が使われています(本来は)。


いや、まともにやれば経済規模は確実にデカいんですよ!

(※中国や東南アジアから製造を戻せれば)


って言いたい…(笑)

↑この一枚の中にも漆、西陣織、越前和紙などの素材が多く含まれています



結論を言いますと。



人日の節供を、江戸時代以前の節供行事「元日節会」に戻せばいいんじゃない?だって、明治維新の時に人日を含んだ五節句は(悲しいかな)廃止されてるんですよ?

いっそのこと明治維新の法律を逆手に取ろうぜ!



お正月に食べるお節料理、この「おせち」の名は節供から来ています。

(ひな祭りのお菓子も、端午の柏餅も、もとは「節供料理」と言われていました)


正月を節供(節句)に戻せば、誰がどう考えても経済規模が大きいことは分かりますよね。初詣、鏡餅、門松、お節料理も全て節句行事に含むことができます。

正月に日本にきた観光客が思うこと。「なんで神社にめっちゃ人がいるの?」「この松は何?」。それらは元から五節句のひとつです。「次は3月にもあるよ!」「五月の鯉のぼりもそうだよ!」「七夕のお祭りも!」全部説明できます。観光、文化、工芸にとってかなり大きな力になりますよ。



長くなりましたが、このことを提案してみようと思います!


Sechie ~節会~

「節会」とは、季節の変わり目・節句の日に行われるお祝いや宴のことです。日本文化の見直しがさけばれている近年にあって、節句という季節の伝統行事は少子化や生活環境の変化などの影響で家庭から姿を消そうとしています。日本古来からの美しい伝統行事を現代の暮らしに合わせて提案をする試みを始めました。展示会やセミナー、イベント等を通じて、四季折々の日本の文化を多くの方に楽しんで頂けると幸いです。

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